
概 要
当院神経内科は現在、常勤医4名体制で病棟及び外来診療を行っています。周辺に神経内科専門の常勤医がいる病院が少ないため、近くの開業医や一般病院の先生方との連携を重視し、神経内科に初めてかかる場合は紹介状をお持ちの方に限らせていただいています。
当科を受診される場合は、まずお近くの開業医にかかって紹介状を書いてもらってから来院していただくか、そうでなければ当院の総合内科を受診していただいた後に改めて当科にかかるか、いずれかになります。しかし緊急性の高い疾患が疑われる場合はこの限りではありません。また、状態が安定した患者さんは近隣の開業医(いわゆる「かかりつけ医」)に診療の継続をお願いし、再度当科での診療が必要な場合には随時紹介をいただいています(これを地域医療連携と呼びます)。特に脳卒中で入院された患者さんは、退院後は生活習慣病の管理が診療の大部分となるため、かかりつけ医への通院をお願いしています。
対象症状
物忘れ
頭痛・めまい・しびれ
物が二重に見える
顔や手足に力が入らない、あるいはしびれている
呂律が回らない
歩きづらい
対象となる疾患について
1. 脳卒中
当科入院患者さんの半分以上は脳卒中です。脳卒中は一旦かかると死に至ることが多く(死亡率はがん、心臓病に次いで第3位)、命が助かっても片麻痺などの後遺症のため体が不自由になるとても怖い病気です(65歳以上の寝たきり原因の半分近くが脳卒中)。
脳梗塞は脳卒中の大部分を占め、どんなに軽くてもできるだけ早く病院に来て早く治療を始めなければなりません。t-PAという血栓(血の塊)を溶かす薬剤を使った血栓溶解療法は頭蓋内出血を起こす危険がありますが、適応を見極めて使えば10人に1人は症状を劇的に改善させることができます。この治療を受けるためには、遅くとも①発症から2時間以内に、②この治療法ができる病院を受診する必要があります。当院では24時間365日t-PAを使うことができます。またたとえt-PAを使うことができなくても脳卒中の患者さんはなるべく早く病院に来た方が良いことは論を待ちません。そして急性期の治療を終えた後にも障害が残っている患者さんには、主に③連携している回復期リハビリテーション病院(リハビリテーション専門の病棟がある病院)へなるべく早く移っていただきます(脳卒中地域連携パスの利用)。
2. 神経変性疾患
神経変性疾患は原因不明の難病で徐々に体が不自由になって行く病気です。パーキンソン病が最も多く代表的ですが、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病などの疾患が含まれます。初めて来院し神経変性疾患が疑われた場合、診断が容易でないため検査入院を勧めています。その後は症状に応じて薬物治療や処置の他、在宅療養のための家族を含めたサポートを、医師のみならず看護師、リハビリテーションスタッフ、ケースワーカーが時には地域の訪問診療医、訪問看護師、ヘルパー、ケアマネージャーの助けを借りながらチーム一丸となって行い、治す医療はできないけれども寄り添う医療を目指してみていきます
3. 認知症
アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などの物忘れを主体とする認知症の患者さんは、平成17年の統計では65歳以上の7.6%とされています。今のところ原因に対する治療はできませんがアルツハイマー病に関しては近い将来治療法が確立されるでしょう。また単なる年のせいと思っていたら、他の治療可能な病気に伴う症状の可能性もあります。当科ではもの忘れ外来を設置し、認知症状の原因を調べて治る病気を見過ごさないように尽力しています。もの忘れ外来受診をご希望の方はかかりつけ医にご相談下さい(もの忘れ外来は完全紹介予約制です)。
4. 頭 痛
頭痛には緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などの器質的疾患を伴わない頭痛と、クモ膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍など器質的疾患に伴う頭痛とがあります。後者では腰椎穿刺、頭CTや脳MRIなどの検査によって診断が可能で治療により改善しますが、前者ではいずれの検査でも異常を示さないためご本人の苦痛が見過ごされがちです。当科では頭痛外来を設置し主に緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などの器質的疾患を伴わない頭痛の鑑別と治療方針の決定を行っております。頭痛外来受診をご希望の方はかかりつけ医にご相談下さい(頭痛外来は完全紹介予約制です)。
5. 神経免疫疾患
多発性硬化症、視神経脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎 (CIDP) 、重症筋無力症、多発筋炎などが含まれます。症状増悪期には副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬などの薬物療法、免疫グロブリン大量静注療法IvIg、血漿交換療法などの血液浄化療法などを組み合わせて患者さんに合った治療法を施行します。再発する恐れがある場合は、多発性硬化症に対してインターフェロン療法(自己注射)を、視神経脊髄炎やCIDP、重症筋無力症、多発筋炎に対して少量の副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬などの持続投与を導入します。
6. 中枢神経感染症
髄膜炎、脳炎などが含まれます。放置すれば死に至る病であり一刻も早く専門家による治療が必要です。
7. てんかん
典型的には強直間代性痙攣を伴う発作を繰り返す疾患で、若くして発症して原因の不明な特発性てんかんと脳卒中などの後遺症に伴う症候性てんかんに分けられます。原因検索と抗てんかん薬による発作の抑制を行います。。
8.その他
眼瞼痙攣、片側顔面痙攣に対してボツリヌス療法を施行します。
連携紹介
当科が主体となって脳卒中の地域連携に関する会Y-CIRCLEを立ち上げて、定期的に回復期リハビリテーション病院のスタッフや開業医との会合を開いたり、市民公開講座を行ったりして活動しています。
会の名称:横浜脳卒中・リハ連携研究会
Yokohama Conference for Interrelation in Rehabilitation of Cerebrovascular
Lesions & Events: Y-CIRCLE)
メンバーは以下の通りです(あいうえお順)。
朝倉病院
うらふね脳外科クリニック
済生会若草病院
新戸塚病院
新横浜リハビリテーション病院
戸塚共立リハビリテーション病院
西横浜国際総合病院
屏風ヶ浦病院
藤沢市民病院
横浜市立大学附属市民総合医療センター
横浜市立市民病院
横浜市立みなと赤十字病院
メッセージ
①まず患者本人もしくは周りの人が脳卒中を疑う必要があります。そのために以下のHPをみて脳卒中の症状を知ってください。
Stroke Zero 脳卒中『顔・腕・言葉ですぐ受診』
http://www.marianna-u.ac.jp/file/topics/01/STROKE_ZERO.htm
②横浜市は行政が主体となって血栓溶解療法が可能な病院をリアルタイムで各救急隊が把握している体制をとっています。従いましてここ横浜では119番に電話するだけです。詳細は以下のHPをみてください。
横浜市健康福祉局医療政策課 脳血管疾患の救急医療体制
http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/iryo-seisaku/teikyotaisei/nou.html
スタッフ紹介
役 職 |
氏 名 |
専 門 分 野 |
認定医・専門医 |
部 長 |
たかはし たつや 髙橋 竜哉 |
神経内科全般、脳卒中、神経難病、認知症、頭痛 |
日本神経学会認定専門医および指導医、日本内科学会認定医、日本認知症学会認定専門医および指導医、日本頭痛学会認定専門医および指導医、日本脳卒中学会、日本神経免疫学会、日本神経感染症学会、日本神経治療学会、日本神経病理学会 |
医 師 |
えんどう まさなお 遠藤 雅直 |
神経内科全般、脳卒中 |
日本内科学会認定医、日本神経学会、日本脳卒中学会、日本神経放射線学会、日本神経感染症学会、日本神経治療学会 |
後期研修医 |
なかむら はるこ 中村 治子 |
神経内科全般、脳卒中 |
日本内科学会、日本神経学会、日本脳卒中学会 |
後期研修医 |
すがわら えりこ 菅原 恵梨子 |
神経内科全般、脳卒中 |
日本内科学会、日本神経学会、日本脳卒中学会 |

